※画像はイメージです。
【はじめに】
今日のわが国の社会情勢を鑑みると、医療分野を含めた様々な分野において、
経済効率優先の裏面として社会モラルの低下が強く問われており、
職業倫理感の不足や欠如に起因すると思われる事故や事件が表面化し、職業倫理破壊が始まったと言われている。
そのような状況でどのように新社会人教育を行うと一人前として患者への対応が出来るようになるのか、
また教育する側とされる側のメンタルストレスを減少させ効率よく教育できるのか。
今回はマニュアル作成から実行を通して弊社の新人トレーナーのメンタルストレスの変動について報告する。
【概要・評価】※画像はイメージです。
新人(以下A)は
・入社当初あいさつが出来ない
・時間を守る事が出来ないなど
・注意が乏しい(気が利かない。突っ立ったまま、ぼーっとしている。)
社会常識に欠けていた。
Aを教育する中で成果が上がらないことに苛立ち、教育者はAにきつい言葉を浴びせ始めた。
しかしAに改善は認められなかった。
改善しない事に教育者は苛立ち、時に暴力を振るおうとしたり、
またパワーハラスメントを行おうとした。何か対策を講じなければお互いに関係は悪化し、
教育者は暴力という手段を選んでいたかもしれないと同時に新型鬱になっていたかもしれない。
【介入】
介入: Aの業務を絞り込み(掃除)、マニュアルを作成後その効果判定として
Aの上司及びスタッフへの達成度アンケートを実施した。また教育者及びAのメンタルストレスをVASにて評価した。
【結果】
アンケートの結果、業務内容(掃除)において改善が認められたが、記述式アンケートにおいて改善程度は少なかった。
メンタルストレスに関してはA及び教育者共に改善した。
【考察】
マニュアルを導入する事で教育者及びAのストレスは、注意を行う機会の減少ならびに業務を遂行することで改善した。
喜びの感情の快情動は脳内にある「報酬系」と呼ばれる部位が活性化する。
今回、教育者は熱心な指導を行うがAの行動が改善するという報酬が得られなかったと考えられるが、
マニュアルによる仕事のオートメーション化は、指導に対する結果との誤差が修正され報酬系が作用したことが考えられる。
マニュアルによる教育者のパワーハラスメントや教育される側の新型鬱の予防につながる事が示唆された。
しかしながら、全業務をマニュアル化し教育者及び教育される側のメンタルストレスを軽減できるかどうかについては
多くの課題が残る事も否めない。
なぜならば、今回のケースではあくまでも視覚的報酬が得られた(見た目に仕事が出来ていると思える)のみであり、
本質的な部分が改善されていないという結果も同僚のアンケートから伺える。
今後の展望:医療・介護に留まらず、社会は人と人とのつながりで形成されている為、
マニュアルを越えた他者の情動を感じ取り、
その他者から全く恩恵を求めず援助する行動に出るという心の育成が必要になる業種であるため、
今後どのようなトレーニングを要するかなどを探索する事が課題となった。
歩行リハビリセンターHOKORU 理学療法士 浅井清尊
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研究まとめ
健康運動教室「健康トレーニングin月出」発足について
おうちでリハビリ ラシクアーレ 理学療法士/田中聖也
2015年熊本市東区月出にて健康運動教室「健康トレーニングin月出」を月に2回開催
・発足することになったのか
・発足するまでの経緯
・何がもたらせたのか
維持期片麻痺患者の歩行における短下肢装具の足関節固定と足関節可動による比較検討ゲイトソリューション
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/浅井清尊
通所介護の臨床において、脳血管障害者の短下肢装具の多くが障害を発症したときに作成した物であり、数年経過した現在では身体に適合しないケースが多数存在する。そこで本研究ではゲイトソリューション(以下GS)とシューホーンブレイス(以下SHB)をそれぞれ装着して歩行させ、その動作をカメラにて撮影し、歩容の違いについて比較した。
当施設利用時の歩行計測とその比較検討
歩数計速の有用性
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/佐藤文彦
一般的に身体活動量が多い者は疾患の罹患率や死亡率が低く、運動はメンタルヘルスや生活の質の改善に効果があるとされている。当施設来所時に万歩計を取り付け、利用終了までの3時間の歩数を計測し、今後の目標向上心を賦活できるように来所毎の記録に加え有効記録歩数を500歩以上とルール付けし、1回目と2回目の歩数を対応のあるT検定にて比較した。
潜在的な随意制御と反射調節が異常歩行に与える影響 姿勢調節チューニング装置
BASYSの有用性
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/奥村祐子
介入 BASYSのプラットホーム上で対象者が足関節を意識した重心前後移動を実施する。介入1をインフェイズモード、介入2をアンチフェイズモードとし、各モード異なる日に実施した。2.評価 介入前後において自然歩行を行い、固定撮影する。その後、動画解析ソフトを用いて①ストライド長②立脚相時間③遊脚相時間をそれぞれ非麻痺側、麻痺側から抽出し介入前後を比較した。
見られる私(セラピスト)
おうちでリハビリ「ラシクアーレ」 理学療法士/田上綾香
【前研究】失語症のある方とのコミュニケーションに難渋したケースについて、会話が進むきっかけとなったのが「記憶を辿る行為」であったことを報告。森岡(2014)は、以下省略「目の観察は心を読みとるために重要である」と定義。コミュニケーションツールは、「共通の記憶」を探る行為なのではないかと考えた。今回課題として随意的な行動の発現を起こす為、対象者が映っている過去の思い入れ深い静止画・動画、全く他人の動画の計3種類をリハビリテーション前に見てもらう。その後の、表情・発言・活動性の変化を観察した。
マニュアルとハラスメントについて
歩行リハビリセンター HOKORU 理学療法士/浅井清尊
今日のわが国の社会情勢を鑑みると、経済効率優先の裏面として社会モラルの低下が強く問われており、職業倫理感の不足や欠如に起因すると思われる事故や事件が表面化し、職業倫理破壊が始まったと言われている。そのような状況でどのように新社会人教育を行うと一人前として患者への対応が出来るようになるのか、また教育する側とされる側のメンタルストレスを減少させ効率よく教育できるのか。今回はマニュアル作成から実行を通して弊社の新人トレーナーのメンタルストレスの変動について報告する。
懐かしさと私
おうちでリハビリ「ラシクアーレ」 理学療法士/田上綾香
今回、右片麻痺と運動性失語症のある患者を担当し、コミュニケーションが上手くとれず、リハビリテーション介入に困難を要した。私とのコミュニケーションを避け、表情が硬く、自発的な運動の呼びかけに対し首を横に振るなどの拒否反応が頻回にみられた。しかし記憶を辿れるような介入を期に笑顔や感動を表現するなど感情の豊かさがみられ始めた。次第に自発的な行動もみられたため、この行動変容の意味づけを考察したのでここに報告する。
他職連携の円滑化を図るには〜自宅間取り図を介して〜歩行リハビリセンターHOKORU 社会福祉事/小平千遥
今年度の介護報酬改定により自宅訪問による生活状況の確認が義務つけられた。そこで弊社は独自に自宅訪問調査票に工夫を加えた。利用者が社会参加を果たせるために日常生活の改善・QOLの向上を強く意識したプログラムを理学療法士に依頼し、生活相談員が自宅訪問調査を行っても利用者の状況を把握していることから自宅での効果判定をスムーズに遂行することが可能である。今回このような効果の見られた点について、生活相談員としての介入方法も含め自宅訪問調査の工夫を紹介する。