地域貢献活動の発足から開催まで
<講演の経緯>
「在宅ケア多職種連携かたり隊」とは、
熊本市内でその地域の特色を活かしながら、多職種協働によって
地域住民の安心した在宅療養生活を支えることを目的とした活動を行っている団体・グループ(以下、グループ)のこと。
このかたり隊が在宅ケアに関わる人々の意欲を活性化することにより、
高齢者や障がい者などが住みなれた地域でいきいきと暮らせる熊本市の実現を目指していくもの。
その中で、熊本市東区取り組みとして「健康トレーニングin月出」が代表に選定される。
<講演内容>
少子高齢化の進展の伴い、医療・介護ニーズはますます増大することが予想されており、
どこに住んでいても、適切な医療・介護サービスが受けられるようにするためには、
医療サービス提供体制の制度改革と地域包括ケアシステムの構築が求められている。
熊本市内の各地域においては、地域包括ケアシステムの実現に向け、
さまざまな取り組みを行っているグループ等があるものの、このような取り組みが市内全域に広がっていないのが現状である。
そこで、先進的な取り組みを行っているグループ等の活動状況を共有することによって、
地域における活動を促進するとともに、地域間での相互支援関係を構築し、市内全域における活動を推進する。
その中で東区月出地区の取り組みとして健康教室を計画。「健康トレーニングin月出」通称「健トレ」となる。
初期メンバーは3~4事業所だったが、教室開始月H27.4月までに関係者含め約10事業所までに拡大。
他業種多職種連携の健康教室を地域包括支援センターや民生委員、地域の事業所の協力連携で実施中。
また、戦略としてトレーニング共有を図るためオリジナルフィットネスDVDを作成。
参加者がその映像に従ってトレーニングができるシステムを導入することで、
どの事業所でも同じクオリティでトレーニングすることが可能。
トレーニング内容はBGMを洋楽から採用。スローテンポのストレッチ~アップテンポにの曲を使用し、
ストレッチ~ボクササイズの流れで実施。
集客や周知についてはオリジナルロゴ、チラシを地域の事業所やコンビニ、金融機関等に配布または掲示。
対象者のみならず地域に周知を図ることが、集客の第一歩であり、対象者の息子娘世代、孫世代にもその存在をしらせることで、
対象者に情報が入るきっかけとなる。
今後は、この「健トレ」の継続とともに行政、地域包括支援センター、各事業所との連携協力をもとに、
今までの介護予防の概念を払拭した「まちづくり」を進めていく。
<主催>
・ささえりあ保田窪 様
<協賛>
・月出校区民生児童委員協議会 様
・託麻台リハビリテーション病院 様
・ケアセンター赤とんぼ 様
・萬生会(サンセリテ月出、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所まこと) 様
・メディカルフィットネスファイン 様
・ヴィラ・ながみね、鶴翔苑 様
・訪問看護ステーション ラシクアーレ
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研究まとめ
健康運動教室「健康トレーニングin月出」発足について
おうちでリハビリ ラシクアーレ 理学療法士/田中聖也
2015年熊本市東区月出にて健康運動教室「健康トレーニングin月出」を月に2回開催
・発足することになったのか
・発足するまでの経緯
・何がもたらせたのか
維持期片麻痺患者の歩行における短下肢装具の足関節固定と足関節可動による比較検討ゲイトソリューション
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/浅井清尊
通所介護の臨床において、脳血管障害者の短下肢装具の多くが障害を発症したときに作成した物であり、数年経過した現在では身体に適合しないケースが多数存在する。そこで本研究ではゲイトソリューション(以下GS)とシューホーンブレイス(以下SHB)をそれぞれ装着して歩行させ、その動作をカメラにて撮影し、歩容の違いについて比較した。
当施設利用時の歩行計測とその比較検討
歩数計速の有用性
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/佐藤文彦
一般的に身体活動量が多い者は疾患の罹患率や死亡率が低く、運動はメンタルヘルスや生活の質の改善に効果があるとされている。当施設来所時に万歩計を取り付け、利用終了までの3時間の歩数を計測し、今後の目標向上心を賦活できるように来所毎の記録に加え有効記録歩数を500歩以上とルール付けし、1回目と2回目の歩数を対応のあるT検定にて比較した。
潜在的な随意制御と反射調節が異常歩行に与える影響 姿勢調節チューニング装置
BASYSの有用性
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/奥村祐子
介入 BASYSのプラットホーム上で対象者が足関節を意識した重心前後移動を実施する。介入1をインフェイズモード、介入2をアンチフェイズモードとし、各モード異なる日に実施した。2.評価 介入前後において自然歩行を行い、固定撮影する。その後、動画解析ソフトを用いて①ストライド長②立脚相時間③遊脚相時間をそれぞれ非麻痺側、麻痺側から抽出し介入前後を比較した。
見られる私(セラピスト)
おうちでリハビリ「ラシクアーレ」 理学療法士/田上綾香
【前研究】失語症のある方とのコミュニケーションに難渋したケースについて、会話が進むきっかけとなったのが「記憶を辿る行為」であったことを報告。森岡(2014)は、以下省略「目の観察は心を読みとるために重要である」と定義。コミュニケーションツールは、「共通の記憶」を探る行為なのではないかと考えた。今回課題として随意的な行動の発現を起こす為、対象者が映っている過去の思い入れ深い静止画・動画、全く他人の動画の計3種類をリハビリテーション前に見てもらう。その後の、表情・発言・活動性の変化を観察した。
マニュアルとハラスメントについて
歩行リハビリセンター HOKORU 理学療法士/浅井清尊
今日のわが国の社会情勢を鑑みると、経済効率優先の裏面として社会モラルの低下が強く問われており、職業倫理感の不足や欠如に起因すると思われる事故や事件が表面化し、職業倫理破壊が始まったと言われている。そのような状況でどのように新社会人教育を行うと一人前として患者への対応が出来るようになるのか、また教育する側とされる側のメンタルストレスを減少させ効率よく教育できるのか。今回はマニュアル作成から実行を通して弊社の新人トレーナーのメンタルストレスの変動について報告する。
懐かしさと私
おうちでリハビリ「ラシクアーレ」 理学療法士/田上綾香
今回、右片麻痺と運動性失語症のある患者を担当し、コミュニケーションが上手くとれず、リハビリテーション介入に困難を要した。私とのコミュニケーションを避け、表情が硬く、自発的な運動の呼びかけに対し首を横に振るなどの拒否反応が頻回にみられた。しかし記憶を辿れるような介入を期に笑顔や感動を表現するなど感情の豊かさがみられ始めた。次第に自発的な行動もみられたため、この行動変容の意味づけを考察したのでここに報告する。
他職連携の円滑化を図るには〜自宅間取り図を介して〜歩行リハビリセンターHOKORU 社会福祉事/小平千遥
今年度の介護報酬改定により自宅訪問による生活状況の確認が義務つけられた。そこで弊社は独自に自宅訪問調査票に工夫を加えた。利用者が社会参加を果たせるために日常生活の改善・QOLの向上を強く意識したプログラムを理学療法士に依頼し、生活相談員が自宅訪問調査を行っても利用者の状況を把握していることから自宅での効果判定をスムーズに遂行することが可能である。今回このような効果の見られた点について、生活相談員としての介入方法も含め自宅訪問調査の工夫を紹介する。