歩数計測(万歩計)
【はじめに】
一般的に身体活動量が多い者は疾患の罹患率や死亡率が低く、
運動はメンタルヘルスや生活の質の改善に効果があるとされている。
当施設来所時に万歩計を取り付け、利用終了までの3時間の歩数を計測し、
今後の目標向上心を賦活できるように来所毎の記録に加え有効記録歩数を500歩以上とルール付けし、
1回目と2回目の歩数を対応のあるT検定にて比較した。
【対象】
当施設利用者のうち、
屋内での移動手段が歩行である60歳代から90歳代、
介護度が要支援1から要介護3の男女110名を計測の対象とした。
疾患別では整形疾患、脳血管疾患、神経疾患など多様である。
【方法】
当施設来所時に万歩計を取り付け、利用終了までの3時間の歩数を計測し、
今後の目標向上心を賦活できるように来所毎の記録に加え有効記録歩数を500歩以上とルール付けし、
1回目と2回目の歩数を対応のあるT検定にて比較した。
【結果】
110名のうち万歩計のトラブルなどによる27名の記録を除外し、
83名(全体の91.3%)が比較対象となった。
1回目は1391.7±949.6歩(最低512歩、最高6373歩)
2回目が1696.4±999.5歩(最低504歩、最高5527歩)であった。
また1回目と2回目を比較したところ、差が304.7歩(p<0.01)となり有意差が認められ、
2回目の歩数が多いことがわかった。
【考察】
厚生労働省による日常生活における歩数増加の目標値は、高齢者の場合、
1日あたりの平均歩数で1300歩の増加とされており、
今回の計測結果から平均値が1544.1±986.7歩とであったことより当施設を利用する事により目標値を達成することができた。
また計測中の利用者は頻繁に歩数を確認し、
万歩計を回収する際には利用者同士で比較しあう姿や有効でない記録に対して疑問を抱く姿がみられるなど
万歩計を装着することで利用者自身が“能動的”な歩行に対してこれまで以上に意識する事がわかった。
これは2回の平均値の比較においても2回目の平均値が1回目よりも304.7歩増加しており、
初回の計測結果を意識しての目標志向型のアプローチができたと考えられる。
【まとめ】
今回、簡易的な腰装着型万歩計を使用し当施設利用者の歩数を計測した結果、指標となる平均値の計測ができた。
また歩数を可視化したことにより利用者自身が能動的に歩行し、1回目の計測記録を目標にするなど、
万歩計を装着するだけでも活動量を増加させる事が可能である。
さらにこの歩数の指標をもとに当施設では今後、歩数のポイント化、自宅での歩数をカレンダーに記載するなど
報酬系を働かせ、利用者の活動量を増加させるプロジェクトを模索している。
倫理的配慮、説明と同意
倫理的配慮に留意し、研究の内容について説明を行ったうえで同意書にて同意を得た。
(倫理的配慮,説明と同意)
歩行リハビリセンターHOKORU
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研究まとめ
健康運動教室「健康トレーニングin月出」発足について
おうちでリハビリ ラシクアーレ 理学療法士/田中聖也
2015年熊本市東区月出にて健康運動教室「健康トレーニングin月出」を月に2回開催
・発足することになったのか
・発足するまでの経緯
・何がもたらせたのか
維持期片麻痺患者の歩行における短下肢装具の足関節固定と足関節可動による比較検討ゲイトソリューション
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/浅井清尊
通所介護の臨床において、脳血管障害者の短下肢装具の多くが障害を発症したときに作成した物であり、数年経過した現在では身体に適合しないケースが多数存在する。そこで本研究ではゲイトソリューション(以下GS)とシューホーンブレイス(以下SHB)をそれぞれ装着して歩行させ、その動作をカメラにて撮影し、歩容の違いについて比較した。
当施設利用時の歩行計測とその比較検討
歩数計速の有用性
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/佐藤文彦
一般的に身体活動量が多い者は疾患の罹患率や死亡率が低く、運動はメンタルヘルスや生活の質の改善に効果があるとされている。当施設来所時に万歩計を取り付け、利用終了までの3時間の歩数を計測し、今後の目標向上心を賦活できるように来所毎の記録に加え有効記録歩数を500歩以上とルール付けし、1回目と2回目の歩数を対応のあるT検定にて比較した。
潜在的な随意制御と反射調節が異常歩行に与える影響 姿勢調節チューニング装置
BASYSの有用性
歩行リハビリセンターホコル 理学療法士/奥村祐子
介入 BASYSのプラットホーム上で対象者が足関節を意識した重心前後移動を実施する。介入1をインフェイズモード、介入2をアンチフェイズモードとし、各モード異なる日に実施した。2.評価 介入前後において自然歩行を行い、固定撮影する。その後、動画解析ソフトを用いて①ストライド長②立脚相時間③遊脚相時間をそれぞれ非麻痺側、麻痺側から抽出し介入前後を比較した。
見られる私(セラピスト)
おうちでリハビリ「ラシクアーレ」 理学療法士/田上綾香
【前研究】失語症のある方とのコミュニケーションに難渋したケースについて、会話が進むきっかけとなったのが「記憶を辿る行為」であったことを報告。森岡(2014)は、以下省略「目の観察は心を読みとるために重要である」と定義。コミュニケーションツールは、「共通の記憶」を探る行為なのではないかと考えた。今回課題として随意的な行動の発現を起こす為、対象者が映っている過去の思い入れ深い静止画・動画、全く他人の動画の計3種類をリハビリテーション前に見てもらう。その後の、表情・発言・活動性の変化を観察した。
マニュアルとハラスメントについて
歩行リハビリセンター HOKORU 理学療法士/浅井清尊
今日のわが国の社会情勢を鑑みると、経済効率優先の裏面として社会モラルの低下が強く問われており、職業倫理感の不足や欠如に起因すると思われる事故や事件が表面化し、職業倫理破壊が始まったと言われている。そのような状況でどのように新社会人教育を行うと一人前として患者への対応が出来るようになるのか、また教育する側とされる側のメンタルストレスを減少させ効率よく教育できるのか。今回はマニュアル作成から実行を通して弊社の新人トレーナーのメンタルストレスの変動について報告する。
懐かしさと私
おうちでリハビリ「ラシクアーレ」 理学療法士/田上綾香
今回、右片麻痺と運動性失語症のある患者を担当し、コミュニケーションが上手くとれず、リハビリテーション介入に困難を要した。私とのコミュニケーションを避け、表情が硬く、自発的な運動の呼びかけに対し首を横に振るなどの拒否反応が頻回にみられた。しかし記憶を辿れるような介入を期に笑顔や感動を表現するなど感情の豊かさがみられ始めた。次第に自発的な行動もみられたため、この行動変容の意味づけを考察したのでここに報告する。
他職連携の円滑化を図るには〜自宅間取り図を介して〜歩行リハビリセンターHOKORU 社会福祉事/小平千遥
今年度の介護報酬改定により自宅訪問による生活状況の確認が義務つけられた。そこで弊社は独自に自宅訪問調査票に工夫を加えた。利用者が社会参加を果たせるために日常生活の改善・QOLの向上を強く意識したプログラムを理学療法士に依頼し、生活相談員が自宅訪問調査を行っても利用者の状況を把握していることから自宅での効果判定をスムーズに遂行することが可能である。今回このような効果の見られた点について、生活相談員としての介入方法も含め自宅訪問調査の工夫を紹介する。